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ゲタバコ.

下駄箱とは、靴などの履物を収納するための家具。 銭湯など大衆が集う場所では「下足番」と呼ばれる履物の管理人を置くことがある。 ゲタバコとは、映画などのコンテンツを紹介するためのサイト。 インターネット上など大衆が集う場所で「下足番」と呼ばれるブログの管理人が置かれている。

おそ松さんの現代感と哀愁について

 

ぼくが今期のアニメで最もいいと思うコンテンツは間違いなく『おそ松さん』。

 

何が一番面白いかというと、現代感だと思うんです。

現代感て何?と思われると思うんですけど、

 

要は現代の空気をいかにコンテンツとして感じ取っていて、それを風刺的に表現してるかということ。

 

特に、このコンテンツは始まり方が素晴らしい。

そもそも、おそ松さんといえば、イヤミのシェー、チビ太のおでんがメジャーなイメージとして定着していると思います。

しかしみんな、それを知っているというだけで、おそ松くん自体のエピソードを語れる人は少ないはず。というかほぼいないはず。僕もそうです。

おそ松さんになってから初めてアニメを見ました。

なぜか。それは、みんな知ってるけど終わってしまったコンテンツだから。

赤塚先生も亡くなってしまったし、ただその死はマスコミが伝説のスピーチとして取り上げたタモリの名スピーチで印象に残っている。

ただこれ以上、赤塚コンテンツはどうこうなるとは思ってなかった。

 

それを蘇らせたのが、この『おそ松さん』なわけです。

で、問題はそう蘇らせたの?という話なんです。

その点、このコンテンツは本当に素晴らしい。

何が素晴らしいかというと、おそ松くん達が時代と一緒に年を取ったということなんです。

 

このコンテンツの一話は大人に「なってしまった」おそ松くん達が赤塚先生の死後、定職にも就かず、時代に取り残され、これからどうして行こうというとこから始まります。

時代が流れているわけだから、社会も変わっている。

いわば過去のオワコンであるおそ松くん達が、この現代でどう暮らしていくかということが物語を進める上での指標であり、視聴者のモチベーションになるわけです。

そこにはサザエさんのような昭和の情緒も存在しないし、シェーと言っていればよかった、くどい赤塚ギャグも存在しない。

ゆるゆる物語を進めながらも、おそ松くん達がもう大人の「おそ松さん」としてどうやって暮らしていくか、という話が描かれるわけです。

だからオワコンをそのヒットしていた空気感で刷り直しをするわけではなく、時代遅れな設定だけを残して、その人物達が現代でどう暮らして行けるかがテーマになってると思うんです。

 

しかしながらこの作品の素晴らしいところは、時間が経ってしまった現代は受入れざるを得ないとして、そこで彼らがぶっとんだ赤塚ギャグをどう演出するかというところ。

 

例えば先週の、イヤミのサクセスストーリーが描かれる回ではイヤミとおそ松さんの一人が競馬に行くんですけど。

そこで一発当てようとするイヤミの勝った馬が最後ダントツでゴールしようとするんですけど、ゴール直前で時空を超えてゴールできなかったという演出。

ぼくはここで一番笑ってしまったんですけど、なんで笑えたかというと、現代感を醸し出す雰囲気から急に赤塚ギャグをぶっこんでくるからなんです。

もう絶対ありえないっていうね。

 

要は、そのギャップが素晴らしいわけで、現代で生きなきゃいけないおそ松さんたち。

 

その空気感の中で、絶対ありえないことを狙わずにあたかも普通のごとくぶっこんでくる。

そしてその笑いで現代を風刺する。

それはまるで、過去の昭和キャラクターが現代に対して言いたいことみたいなのをエンタメ前提で代弁表現しているような気がして。

 

それがたまらないんですよね、なんか。

おれたちは時代遅れでこの時代で生きていかなきゃいけないけど、ただ、それっておれたちから見るとこう見えるんだけど。みたいな。

だからぼくはこの作品、一抹の哀愁を感じながらも、ただストーリー全体をそのような感じで進めず、あくまでポップに進めていくんで、楽しんで毎週観れると思うんです。

 

だから、おそ松さんたちが部屋で全員そろってマンガなりなんなりそれぞれがダラダラしてるシーンに何か一種の切なさを感じます。

おれたちは、変わってないぞ、変わったのは、お前らだみたいな。

 

まあそんなこと考えながら見るアニメではないと思うんですけど、

ただ、ところどころ作り手がそんなようなものを狙っているような気がしてならない。

 

だからぼく、その作り手の感情も含めてすごく好きだと思うんです。

 

本当に観やすいアニメなので、声優につられた腐女子の方でもなく、風刺好きなネット民のかたでもなく、本当に現代という今を生きる人に観て欲しいなと思います。

 

おそ松さん 第一松 [Blu-ray]

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 この画の感じも現代的なポップに仕上がっててとても好き。