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ジャンプ批評 鬼滅の刃が急上昇した理由は先週の一コマにある。

『鬼滅の刃』というジャンプ史上類を見ないほどの鬱鬱少年漫画の連載が4ヶ月前くらいから始まりました。

僕はこの漫画最初から結構好きで。

なんと言っても超暗い!

この手のダークファンタジーというか、主人公が第一話から過去を背負っている系のマンガにありがちなのが、最初は幸せだったのに、なんとか(敵の名前)のせいで家族もしくは仲間を殺され、なんとか(敵の名前)に復讐をするためになんとか(物語のヒーローの名前)になる!という筋。

 

この漫画のすごいところは、最初から主人公家族が全く幸せな状況にいないところ。

 

まずは簡単なあらすじ。

 

時は大正時代。明治からの近代国家が富国強兵で根付いていく一方、ど田舎と中央の格差は激しく、主人公はそのど田舎で育つ。まだ耳飾りの伏線が回収されていないので、出生については謎なところもありますが、まあとにかくド貧乏。主人公炭治郎の、妹、弟、お母さんへの想いはもう本当に泣ける。

そんななか、家族は鬼に襲われて殺されてしまう。唯一生き残った家族の禰豆子は鬼にされてしまい、妹を人間に戻すために鬼を退治する鬼殺隊になることを決意する。

 

って感じなんですが。

ちょっと話ブレるけど、まあ今のジャンプってどうとでも言えて。

暗黒時代やとか、ブリーチはよ終われとか、せすピンてなんやとか、まあ諸々。

 

でも、文句言ってるのって20代後半から30代くらいなんじゃないの?と思ってます。

まあみんなが言うほどジャンプは面白くないよってのが率直な感想。

そしてらマガジン、サンデー、チャンピオンはどうなる?って感じで。

不満→希望ならいいけど、文句言いながら毎週読むくらいだったらもうジャンプ卒業しなさいと言いたい。

 

ですがかくゆう僕も、ジャンプ、あの頃の輝きはねえなと思っていました。

あの頃というのはドラゴンボール亡き後の96年から04年くらいまでのこと。

毎週新鮮味と面白さを200円ちょいで提供してくれるあんなにいい書籍はなかったし、お小遣いにおいて最高の買い物をしていたと思う。

 

どこらへんからジャンプの落ち目だったのか。

まあ個人的にだけど、まずはハンターが休載慣れしたきたあたりかなと。

毎週書き続けていたら、もう終わっててもおかしくないくらいの感じじゃないかなと思ってます。

たらればの話はあまり好きではありませんが。

そこから週刊誌として質が下がったのは間違いない。

でもあれが富樫先生のスタイルで、あの年月をかけなければあれほどに計算された、能力モノ頭打ちと言われているこのご時世でも毎週おもしれー!と思わせてくれるストーリーはやはり素晴らしいものがあるなぁ、と。

次の落ち目はナルト最終回以降。大物作品連載終了後ってどうしても仕方ないとは思うんだけど。

ただただもう、読む作品ないんじゃないの?ってくらいつまんなかった。

そしてナルト自体はいま月に1回連載してるけど、あれはもうすぐにでもやめてほしい。違和感しかない。

 

今週のジャンプを読んで、そんな落ち目状態がちょっと復活したように感じました。

あれ?結構今の連載作品好きになってきたぞ?みたいな。

その基準が鬼滅の刃のアンケートランキング上位躍進。

やっと、来た!っていうくらいの。

これをジャンプのスタンダード順位作品としておいてよくない?くらいの。

銀魂がすげー上がってたのはびっくりしましたけど 笑

ワンピとワールドトリガーがなかったとしてもこの上位傾向は素晴らしいと思いました。

 

んで、どうして上がったのか。

それは先週の最後の一コマにあります。

あの一コマで、鬼滅の刃はやっとジャンプ少年漫画になった!と感じました。

あの終わり方で来週気になって、やっとアンケート読者が丸つけてくれたのかなあと。

あのコマに関していうと、やっと炭治郎がジャンプのヒーローに並んだというコマですよ。

今までは苦労していたただの少年だった。

このスピードは前に書いたナルトよりも遅くて。

多分ジャンプ批評してる少年(小学生から高校生)にはまだわからんかっこよさだと思う。

僕自身も中学生だったら、なんやこれはよ終われやと思っていたはず。

 

そのかっこよさがこの作品の好きなところでもあるんだけど、

僕が鬼滅に対して好きなところは、炭治郎の、ハイパー愚直なまでの努力と根性と忍耐。

そこの描写。あれがなかったら、正直、禰豆子への気持ちがわからんなと思っていて。

そして技を繰り出す前の、炭治郎の思考をちゃんと描いているところ。

「えーっと、これはこうしなくちゃだからこの型だ!」っていう。

あの一手間が超大事で。

普通ジャンプのヒーローって技繰り出す前に考えないじゃないですか。

繰り出した後にモブが実況するとか、そういうのはスポーツ漫画でよくあっても。

ワンピとかドン!で一コマ技を繰り出していかにかっこよく相手を倒せるかみたいなところありますからね。その点、ストーリーのコマの流れで自然とやってのけてしまうドラゴンボールは本当にすごかったんですけど。

 

そして鬼を倒すということへの執念が、炭治郎の努力を何週もかけて描いているからこそ、厚みがある。

そこもなあなあでどうでもいいよと思い始める読者が出てきてもおかしくないはず。

そして今週からいままでちょっとずつ入れてきたユーモアが結構はっきりしてきている。

仲間の鬼を二人出したのは正解でしたね。

急にラスボスチックキャラや仲間キャラが増えると、打ち切り予感の可能性がかなり高まるので心配だったんですが。作者が次の可能性を探るため、最後にやりたかったことを詰め込もうとするので。

かといいながら、ずっと話していた宿敵が出てきてしまい、いまその部下と戦っているので、打ち切りコースとも名高いんですけど。せめて4~6巻くらいまで連載頑張って欲しい。

 

今後の焦点は、鬼に対しての限りない憎悪だけではなく、鬼の出生について葛藤しながら戦ってほしい。

ただ、話の流れはテンポよく、さくさくと行ってほしい。

書いている方からしたら、いや。毎週17~19Pで主人公の心情を話し続けながら描けねえよ、

商業マンガだから編集に言われて出したキャラの伏線回収しきれねえよ、

という感じで●●編を何ヶ月も、何年も続けてしまうので。

その最たる例がブリーチと銀魂ですね。

こち亀除き、長く続いて舞台化まで行くジャンプ漫画は、まだ金の匂いがしているから続いてるのかなぁとか思ってしまうので。

ハイキュー!!はターゲットがはっきりとしていて、(テニプリ、リボーンに続くあの方々の系譜です)

それはそれでメディア展開的にアリだと思うのですが。

むしろ、鬼滅を舞台化しても面白いと思うけどなあ。

演劇に近い形になると思いますが。

 

まあそんなこんなで、鬼滅はある意味ジャンプ史上の少年漫画誌に一石を投じたような気もするので、まだ続いて欲しいです。

ただそれも、10巻以内で。こんな変化球のジャンプ漫画があったっていう1作品として、後世に語り継がれてほしい。

 

友情、努力、勝利

 

この3点が作品にあることが絶対条件とされるジャンプ漫画で、

数々の打ち切り作品は最後にこれを詰め込んで無理やり綺麗に終わることが多いんだけど、

鬼滅にはそうなってほしくない。

いまのところ、鬼滅には努力しかない。それも、愚直過ぎるほどの、泥臭い努力。

 

なにかの壁にぶち当たり、こうした愚直な努力を強いられている人には生活レベルできっと響くはず。

まあその人が、マンガにはそんなもの求めていないと言ったらそれまでだけど。

 

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックス)