日本で一番バカにされる名字「山田」新三大 日本でバカにできない山田
本日、有権者の皆様にお伝えしたいのは、日本で最もバカにされやすい名字、山田という姓を持ちながらもバカにできない山田の三人を紹介致します。
一人目の山田は、
山田洋次
通称、山田おじいちゃんですね。
80歳を超えながらもいまも毎年年に一本か二本映画をお作りになっている、いわば映画基地外じじいですよ。
いや、全くバカにしていませんよ。本心です。
前書いた記事、
でも紹介させて頂いておりますが、この人なしには戦後喜劇は語れない、寅さんで松竹映画の廃退を止めた実績ある人です。
昔の映画監督には「映画部屋」と呼ばれる監督部屋というのがあったそうなんですが、
社員監督がいなくなって、いま松竹という映画会社一筋で作り続けているこのおじいちゃんこそ、日本で監督部屋を銀座に持つ監督なのです。
60年代、70年代の人情喜劇というジャンルを確立させ、『男はつらいよ』という松竹キラーコンテンツを生み出した山田おじいちゃん。
来年、久々の人情喜劇が公開されます。
ぜんぜん国際的ではない、プローモーションがクソ過ぎると叩かれている東京国際映画祭で先行上映されたとのことなんですが。
前作、小津先生の『東京物語』を同じ家族構成で現代風にリメイクした、『東京家族』のキャストをそのまんま使ってまたあたらしい喜劇です。
その名も、『家族はつらいよ』
もう、そんまんまじゃねーかっていう。でもここまでこのタイトルを普遍的なものとしてドヤ顔をせずつけられるのはこのおじいちゃんしかいない。
だからぼくは個人的にすげー楽しみです。
ちなみに、『東京物語』という映画はこれまで何回もリメイク、オマージュ、パロディ作品が作られておりまして、
結構くそみたいな作品が多いとのことなんですが、ぼくはその中でこれが好き。
はい。『シコふんじゃった。』『Shall we dance?』で一世を風靡した周防監督の作品ですね。ピンク映画です。
世界の名作にも選ばれるこの作品を、ここまでこの方向にパロディしてるのは本当に面白い。
で、2人目の山田。
山田玲司
なんか最近はあちゅうさんと会談してた。
山田玲司×はあちゅう 恋愛について語る。 | WANI BOOKOUT|ワニブックスのWEBマガジン|ワニブックアウト
このかたの素晴らしいとこは、人間の闇を優しく包んでくれるとこ。
これとか超好きですよ。
『絶望に効くクスリ』
山田玲司が著名人、有名人と対談して、その人の人生を描いたドキュメンタリーマンガ。
ほっしゃんの話とかすごく好き。
要は、世界をもっとよくしたい、絶望してる人に手を差し伸べたいという聖人君主のような気持ちがコンテンツからガンガン伝わってくるんです。
いまクラブサンデーで『スーパースーパーブルーハーツ』って作品連載してるんですけど、まあこれはあんま面白くなくて。
何かこのひと、ストーリー作品を描くとエモ過ぎてぼくダメなんですよね。
でも、『絶望に効くクスリ』は本当にそれぞれの人物の絶望、闇を描いてて素晴らしい。ぼくもちょっと人生に絶望してるときがあって、そのとき毎日暇で、たまたま先輩から貸してもらったのがこのマンガ。
そのあと続きをブックオフ回って探しまくりましたからね。すいません、ブックオフで買って。そのときはお金なかったんです。で、そんな気持ちでこれを読んだんですが、すごく癒されました。
あ~なんかべつにこれでいいんだ、って。ただ何かこれから自分の中で芯をひとつだけ持とうみたいな。
いまもし、何かに迷っていたり(人生的に)するひとに是非読んで欲しい作品です。
あと、こちら『非属の才能』もオススメ。
超エモいんで、軽いコンテンツ求めてる人が読む作品ではないと思うんですが、すこし何かに迷ったときに読むにはいい本です。
たとえば東京で消耗してるな、高知にでも移住しようかな、という会社員の方とかが読んだらグッと来るものがあると思います。
あ、イケハヤさんすいません。
そして三人目。
山田太一
ドラマの脚本家です。
一番有名なのは、『ふぞろいの林檎たち』
ぼくは戦後日本ドラマのなかで、この人の作品が一番好き。
まあ三谷幸喜も好きなんですけど。ただ、この人のドラマはガチで人間ドラマ。
まず、役者にめっちゃ喋らせます。
そんなことも言っちゃうの!?恥ずかしくない!?みたいなことも。
それぞれのキャラクターが心の恥部というか、本心をそれぞれの言葉でさらけ出します。
たとえば『ふぞろいの林檎たち』が一番観やすいコンテンツだと思うんですけど。
ぼくは大学のときに観たんですけど、いまの大学生には必修レベルで観て欲しい。
いわゆる80年代の、学歴社会全盛期のときの三流大学生たちの話です。
役者は、みなさんご存知中井 貴一、Teitterが一時期大人気、ミスター二枚目 時任 三郎。よくいろんな人を確保する最強の三枚目 柳沢慎吾。
お相手役は、おさわがせドキュメンタリー年増 石原真理子(当時)、若くしてヌード写真集を出した手塚理美、幸楽で泉ピン子を下から煽る、中島唱子。
ちなみに中島唱子はこの作品がデビュー。
要はこの三人が自分の置かれた環境に悩みながら切なさを持ちながらも青春を送る、いわば今で言うキャンパスライフドラマ。
でもそこには、オレンジデイズのようなキラキラ感はありません。
そのエピソードをひとつ紹介しますと。
第一話で中井貴一が中島唱子と高尾山でデートして、そのやりきれなさに性欲を抑えきれず風俗店に行くんですけど。
そこで高橋ひとみに出会うんですよ。
でももともと2人は顔見知りで。中井貴一が一流大学のコンパに紛れ込んで参加したときにたまたま風船割りゲームしていいなーと思ってたのが高橋ひとみだったんですね。
要は、コンパで出会ってなんとなく好意をよせてた相手が風俗店で働いてたって言う。
名前、エリっていうんですけど。ここで出会ってサザンの『いとしのエリー』が流れるんですよ。
「エリー」っていうところだけ繰り返し。この衝撃演出にぼくは爆笑してしまったんですけど、第二話で中井貴一は高橋ひとみに抜いてもらいながら涙するんです。
ここもめっちゃ面白切ないんですけど、そのあと高橋ひとみに風俗で働くの辞めてくれないかって言うんですよ。
そしたら「でもあなた、うちの店に来たわ。そんなこと言われる筋合いないと思うの」って返されるんですけど、正論過ぎワロタwwwって話なんですね。
でもそれが超切ない。好きになりそうな女が風俗で働いてて、抜いてもらいながら、そのあと辞めてくれっていう変な男気。
そのあと、中井貴一の、ミキプルーンのCMでも使われてた名台詞が飛び出します。
「いやなんだ、なんか、いやなんだ」
この台詞のセンス!この一言に論理では説明できない男の感情がつまってるわけです。
そんな説明できないような痛みを、お互いにぶつけ合って行く若者のドラマ、それが『ふぞろいの林檎たち』です。
あ、youtubeに全部載ってた・・・
ふぞろいの林檎たち第1話 学校どこですか?その1 - YouTube
さあ、ここで紹介させて頂いた三人の山田。名字以外に1つ共通点があります。
それは、弱者を描き続けているということ。
山田洋次は庶民とよばれる社会的な弱者
(テキ屋である寅さんとか、肉体労働者のハナ肇とか)
山田玲司は社会で傷ついた、闇を持った弱者
山田太一は先天的な、自分ではどうしようもない環境で悩む弱者
つまり、山田って名字は先天的にバカにされて弱者に目を向ける文化人が多い?のかなとか思ったりしました。
この三人のコンテンツ、必見でございます。絶対、自分の弱さと重なり、向き合うところが見つかるはず。
そんなわけでお送りしました今日のゲタバコ、新三大日本でバカにできない山田を紹介させて頂きましたが。
ただ、そもそも現代社会で山田がバカにされるキッカケを作ったA級戦犯はこいつだと思うんですよね。