ゲタバコ.

下駄箱とは、靴などの履物を収納するための家具。 銭湯など大衆が集う場所では「下足番」と呼ばれる履物の管理人を置くことがある。 ゲタバコとは、映画などのコンテンツを紹介するためのサイト。 インターネット上など大衆が集う場所で「下足番」と呼ばれるブログの管理人が置かれている。

本が売れなくなったのは本屋のせい!? 「本屋」というメディア空間について

みなさんはどれくらいの頻度で本屋に行きますか?

 

今日とか平日の間の単体祝日だったので、時間余して本屋に行った人も多いはず。

 

ぼくは待ち合わせとかなんかの予定の間に行くとして、週に一回行くか行かないか。

ただ最近、でかい本屋には行かなくなったなぁと思って。

 

たとえば集めている新刊のコミックが出れば行きますけど、

でもいまはセブンイレブンが売れ筋は結構置いてくれてるんですよね。

 

絶対この本在庫ねえなってのはAmaさん見てみるか!ポチぃ!てなるし、

家まで届けてくれるから移動コストもかからない。

店員さんに本を探してもらってる間のストレスもなくなりますよね。

 

今回は、地方のちょっと大型の本屋で働いていたぼくがその経験を踏まえながら本屋というメディアについてつらつらします。

 

あ、ぼくが働いてたのは地域最大の在庫数を誇る大型本屋さん。あ、もういまはなくなっちゃったんですけど。

 

うちの親父は本が大好きで、本に囲まれてるのが好きだって毎週行ってました。

あとチャリ圏内の中高生が好んでくるようなお店だったんでしょうね。

 

たしかに売れ筋はコミックでもラノベでも小説でも取り揃えてましたけどね。当たり前ですけど。

あとは名作と呼ばれるシリーズはだいたい揃ってたし、18禁のコミックもあったし、コアな雑誌もあったし、だいたいその地域でそこ行けば何でも揃ったと思います。

 

でも大きな問題点として。

 

本が死ぬほど探しにくいんですよ。

 

お客さんからこの本探してくれって言われて、まあまあ広い店内探したりするんですけど、店員でも探しづらいんですね。

図書館くらいどこに何の本があるか索引して探せればいいんですけど、新しい本が入って来たりなんかすると中途半端にレイアウト変えたりして。

 

まずそもそも、本てジャンルと求めてるクエリの種類が莫大すぎて、まずお客さんが探してる本のタイトルとカバーの検討をつけるので時間懸かるんですよ。

 

ONE PIECEの一巻!」とか言ってくれたらコミックコーナーの少年ジャンプコーナーにご案内さし上げればいいんですけど。

 

そんなタイトルも知らねえのかよ、おまえ本屋の店員向いてねえなって言われればおっしゃる通りですけど、

 

何年か前に出た産婦人科の本のタイトル言われたってまずそもそもその本知りませんて。絶対的に読むターゲットじゃないし。

 

じゃあ店内の本全部把握しろよ!と言われてもおっしゃる通りですが、さすがに何万冊あったら無理だと思うんですよね。

 

つまり何かというと、ジュンク堂さんとか紀伊国屋さんで、各階とかの担当者でそのジャンルだけの担当にならない限り、

 

そして自社、自店の独自の検索システムがしっかりしてない限り、膨大なタイトルの中から本見つけ出すのは骨が折れるんです。

 

しかもタイトルの検討をつけるのに使ってたのが取次っていう、出版社から本屋に本を卸す、本の卸し問屋が共同で使ってる検索システムなんですけど、

 

まあ使いづらいんですよ。写真に本のカバー出てこないことが多いし。

 

さらにいえば、お客さんも本のタイトルが曖昧だったりするわけです。

 

1文字違ったり、全然違うじゃねーかだったり。

 

テレビで昨日紹介されてたやつって言われてもその番組見てねーから知らねーよって話で。

 

すいません、愚痴が過ぎましたが、このあとが大事で。

 

じゃあどうやって検討つけるかといわれたら、google先生にお聞きするわけですよ。

 

多少タイトルが違ってても近いものを教えてくださるし、だいたい画像も出てくるし。

 

じゃあお聞きして何のサイトを表示してくださるかというと、正解です。Amaさんですね。

 

そのやり方をほとんどのバイトがやってました。

 

それに対して店長。

 

Amazonは競合だから、検索に探すのはいかがなものかと思う。まずは取次で探してくれ」

 

だから潰れたんじゃねーかと思ったんですが・・・

 

まあたしかに、Amaさんというのは本屋にとってみたら競合もいいところで。

 

しかしながら、一定の営業時間で客単価を考えたとき、10分で1冊売れる店より、1分で1冊売れた方がどう考えてもいいわけで。

 

わざわざ取次で探してる時間がどれだけ無駄かと。

 

Amaさんが競合だとしても、あっちはネット繋いでれば、その世界最大のECサイトの知恵を貸してくれるわけだし、

 

勝手なアナログ本屋のプライドで効率の悪い方法押し付けてくるんじゃねーよ、と思っていました。

 

まあ、そんなわけで、本日の記事はほとんど愚痴のようなもので申し訳ないのですが、

 

本が売れなくなったのはネットの所為じゃなくて、本屋の勝手なプライドから来る時代についていけない怠慢なんじゃねえの?と思うわけです。

 

たしかに大型店で対処しているところはあるし、そういった在庫を常に取り揃えている本屋さんは素晴らしいと思うのですが、

 

まあだいたい田舎の本屋なんて、1フロア、在庫が多くたってそこまでコアな本は残してませんですよ。

 

それなら、って話なんですけど、本屋が生き残る道って、

 

・地元に心から根付いて客の嗜好を汲み取って品揃えをする本屋

・ある程度客をターゲティングして、店員のセンスでコーナーを作って、そのジャンルに特化した本屋

 

しかないと思うんですよね。

 

後者は、大学とか高校が近くにある街で成り立ちやすいのかなと思っていて、早稲田のあゆみBOOKSとか本のチョイスが素晴らしいなと思います。

 

本というメディアは趣味嗜好、クエリが幅広いので、ユーザーは用途を決めてコンテンツを探します。

 

探して目安をつけている方に対して、そのコンテンツをそろえてる方はただ座ってれば売れるという時代は終わったんでしょうね。

 

ユーザーの情報リテラシーが上がれば、みんなAmaさんで本買うと思うし。

 

本屋というメディア空間を作り上げるにしても、結構なセンスが要る仕事だなぁと思います。

 

いやー、うちの近くにそんな本屋が欲しいなぁ。

 

 

BRUTUS特別編集合本・本屋好き (マガジンハウスムック)

BRUTUS特別編集合本・本屋好き (マガジンハウスムック)

 

 あ、本屋に客として行くのは大好きなんですよ。

 

天国の本屋 (新潮文庫)

天国の本屋 (新潮文庫)

 

 そして「本屋」といえば、という話でこの作品は読んで頂きたいです。

もう、随分前に出版された本ですけど。